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2026年5月6日 水曜日

事業の価値で融資を引き出す。新制度「企業価値担保権」の活用法

2026年5月、資金調達のあり方を変える「企業価値担保権」がスタートする。不動産などの目に見える資産ではなく、会社の「事業そのものの価値」をまとめて担保にできる制度である。経営者保証も原則不要とされており、事業承継の面でも注目されている。

ただ、この制度が始まればすぐに融資が受けやすくなるかというと、現実はそこまで簡単ではない。

これまで多くの金融機関は、「保証協会の保証」や「不動産担保」を前提に融資をしてきた。そのため、「事業そのものを評価する力」は、まだ発展途上にあると言われている。金融庁の資料なども整備されてきているが、現場では試行錯誤が続いているのが実情である。

こうした状況では、企業側からの働きかけが重要になる。ポイントは、「金融機関の中で説明が通りやすい形に整える」ことである。

まず、自社の強みを「銀行員の言葉」で伝えること。担当者は財務には詳しいが、業界の専門家ではない。「技術力がある」といった抽象的な話ではなく、「シェア」「取引実績」「離職率」など、客観的な数字や事実に置き換えて伝える。A4数枚にまとめておくだけでも、評価のされ方は変わる。

次に、資金が必要になる前から関係をつくっておくこと。いざというときに初めて説明しても、すぐに理解してもらうのは難しい。普段から現場を見てもらい、事業の雰囲気を知ってもらうことが、結果的に評価につながる。金融機関は数字だけでなく、現場の様子や社員の雰囲気も見ている。

そして、専門家を「通訳」として使うこと。経営者自身が自社の強みをうまく言語化できないことも多い。そこを第三者が補足することで、会社の安定性や強みが伝わりやすくなる。専門家が関わっているという点自体も、安心材料になることがある。

この制度はあくまで仕組みの一つにすぎない。実際に活かせるかどうかは、企業側の準備と関わり方に大きく左右される。評価されるのを待つのではなく、評価される材料を整えていくことが大切である。

当事務所としても、企業の状況を整理し、金融機関に伝わる形に整える役割を担っていきたいと考えている。

投稿者 リーガルオフィス白金 | 記事URL