2023年12月12日 火曜日
相続人がA4一枚に:法定相続情報一覧図
法定相続情報証明制度は、相続手続きを簡素化するために2017年に導入された制度です。この制度の主な目的は、相続に伴う複雑な手続きを効率化し、被相続人の戸籍謄本や除籍謄本など、重要な書類の繰り返し提出の手間を省くことにあります。
この制度を利用する際、まず必要な書類を収集します。具体的には、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍、被相続人の最後の住所を示す住民票の除票、そして相続人全員の現在戸籍が必要となります。また、申出人の身分を証明する公的書類、例えば運転免許証やマイナンバーカードのコピーも準備する必要があります。
次に、被相続人と相続人の関係を示す法定相続情報一覧図を作成します。この一覧図は、相続人の続柄や相続財産の分配を明確にするために重要です。作成した一覧図と必要書類を添えて、申出書を管轄の法務局に提出します。この申出書は、法務局の公式ウェブサイトからダウンロード可能です。
なお、相続放棄をした相続人がいる場合、これを一覧図に反映することはできません。第一順位の子供全員が相続放棄をした場合、これを前提として第二順位の両親を相続人とする一覧図は作成できません。
また外国籍の相続人がいる場合も一覧図は作成できません。
この制度のメリットは大きく、相続手続きの簡素化により、必要な書類の提出が一度で済むようになるため、手間と時間を大幅に削減できます。さらに、申請から5年以内であれば、一覧図の再交付を受けることが可能で、追加の手数料も発生しません。
制度の開始当初はどの程度利用されるものか疑問がありましたが、作ってみると便利なもので何通もの戸籍がA4一枚にまとまり様々な相続手続がスムーズに進みます。ぜひご利用ください。
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