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司法書士飯田ブログ

2023年12月4日 月曜日

“高齢化と株式会社の未来:行方不明株主と廃業・解散の課題”

「少数株主から株式を買い取りたいが行方不明の人がいる。どうしたら良いか」という相談がありました。相談者は株式会社の創業者オーナーで、高齢のため引退したいと考えていますが、後継者がいないため、会社を売るか廃業するかを検討していました。過去に従業員に会社の株を与えていたこともあり、株が分散していました。行方不明の株主は、何十年も前に退職した従業員で、存命か否かもわからない状況です。

行方不明の株主がいる状況でのM&Aは、買い取る側としては好ましくないでしょう。そのまま廃業して解散しても、残った財産は株主への配当(残余財産の分配)となりますので、行方不明の株主への配当金は供託され、恐らく長く眠ることになるでしょう。

株式の譲渡などにより株主が変わった場合、新しい株主は会社に株主名簿の書換を請求する必要があります。株主は、株主名簿に自分の名前が記載されていないと、自分が株主であることを会社に主張することができません。よって、株主の行方不明などにより株主総会の招集通知が届かなかったとしても、株式会社は株主名簿の株主を自社の株主として扱えば良いので、通常の業務・運営に影響はありません。

ただし、株式を買い取るとなると、実際の株主を把握しないと買い取ることはできません。平成2年の商法改正までは、会社設立時に発起人が7名以上必要だったことから、今でも名義株や株式の分散の問題は残っていますが、その解決策として、①所在不明株主の株式の競売、②特別支配株主の株式等売渡請求、③株式併合の3つの方法があります。

①は、所在がわからない株主の株式を競売にかけることができます。ただし、その株主への通知が5年以上到着していない必要があります。株主総会を毎年開催している会社であれば、この前提が起きうる可能性がありますが、中小企業の多くは株主総会を開催していないので、この方法は難しいでしょう。

②は、総株数の90%以上を持つ株主が少数株主に売渡を請求できますが、請求するには単独で90%以上を持っている必要があります。経験則で言うと、100%持っている株主は多く見られますが、単独90%というケースはあまりないようです。株主総会の特別決議が3分の2以上の賛成であり、3分の2が1つのラインとしてあるためかもしれません。

③は、株式を併合(10株を1株に併合など)によって、少数株主を1株未満の株主にすることができます。1株未満となった株式は任意売却か競売で処理されます。ただし、全ての株式が同率で併合されるため、全体のバランスを見る必要があります。

東京商工リサーチによれば、2020年に全国で休廃業・解散した企業は4万9,698件(前年比14.6%増)で、2000年に調査を開始して以来最多を記録しました。休廃業・解散した企業の代表者の年齢別では70代が最も多く41.7%を占めていました。

この数年、解散登記の依頼が増えていますが、今後複雑な廃業・解散が増える可能性があると感じた一件でした。

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2023年12月3日 日曜日

“戸籍法改正と読み仮名登録:名前のデジタル化への一歩”

今年2月、法制審議会は戸籍上の氏名に「読み仮名」をつける戸籍法改正の要綱案をまとめました。現在の戸籍法では、氏名に使用する漢字、ひらがな、カタカナなどの字についての制限はありますが、「読み方」については定められていません。

1993年に父親が長男に「悪魔(あくま)」という名前をつけた出生届を出した際に裁判となった事例がありますが、読み仮名に法律上の制限はないのです。

読み仮名の登録は過去にも検討されましたが、漢字の読み方にそぐわない読み仮名を付けた場合の処理で多くの実務上の問題が予想され、見送られてきました。しかし、今回はマイナンバーカードの普及など行政手続きのデジタル化の中で、読み仮名を活用することでシステム処理の正確性・迅速性・効率性を向上させることができるという理由から実現されようとしています。

読み方として認められるか否かについては、今後更に検討され、法務省が通達で示します。法務省によると、「アクマ」など反社会的な印象を与える読みは採用されない可能性が高いです。また、「高」を「ヒクシ」とするような漢字の意味と逆にする読み方や、「太郎」を「ジロウ」とするなど漢字から連想できない読み方は認められない見込みです。

一方で、「大空」を「スカイ」、「愛」を「ヒカリ」と読むなど漢字と関連する外国語や意味から連想される読み方は認める方向のようです。「キラキラネーム」に関しては、法務省は「社会的に通用し、漢字のイメージに沿った読みであると説明できれば基本的には戸籍に登録できる方向」としています。

私は息子の名前を決める際に姓名鑑定をしました。姓名鑑定には「五大真理」というものがあり、重要な五つの要素が定められています。そこで最も重要とされているのは「読み下し(読み方)」です。

例えば、佐々木という姓に「けんじ」という名をつけると「ささきけんじ」となりますが、氏名に「きけんじ(危険児)」という音が含まれていることから、推奨されません。姓名鑑定では、まず読み方・音が重要視されます。ちなみに氏名の画数は五つの要素の中で1割程度の影響しかありません。

戸籍法が改正されれば、読み仮名が登録されることになりますが、同時に読み仮名がデジタルデータとしても取り込まれることになります。

これからの社会ではAIが広い分野で活用され、AIの回答が人間の意思決定に大きな影響を与えることが見込まれます。やはりAIが判断に迷わないような命名が良いのではないかと私は思います。

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2023年12月3日 日曜日

いらない土地を国に引き取ってもらうには【相続土地国庫帰属制度】

土地を相続したけど、使わない、いらない、どうしようという問題。時々相談があります。
原野商法がらみが多いですが、先代から受け継いだ田畑や山林なども。
これまでは「どうしようもないんですよね…」と答えてましたが、今年4月に「相続土地国庫帰属制度」というのが始まりました。
 
ざっくり言うと、相続したいらない土地を国に引き取ってもらう制度です。
ただ、何でも引き取ってもらえるかというとそうではなく、建物があるとダメ、隣地との境目がわからないとダメなど要件があります。
あと相続した土地はいいけど、買った土地はダメ。
国に納める手数料は最低でも22万円程かかります。
 
法務局の話によると今年10月末現在で、
相談件数 18,073件
申請件数 1,181件
国に帰属した土地 9件
だそうです。
手続き期間は原則8ヶ月間なので、年明けには帰属した土地がもう少し増えてるかもしれません。
始まったばかりの制度ということと、結構これまでの常識を覆すような制度なので法務局もまだ手探りだし、わかってる専門家も少ないです。
 
この制度、難しそうというのが第一印象だったけど、これまでの常識を覆す制度だなと気づいたらちょっと面白いなと思いました。何かが変わる瞬間は楽しいですね。

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2023年12月3日 日曜日

相続登記が義務化されます。

令和6年4月から、相続登記が義務化されることになります。

先日、そのことをSNSに投稿したところ、「これまで義務ではなかったのですね」というコメントがありました。私は「義務ではないため、登記が放置され、所有者がわからない土地が九州ほどの広さになっています」と返信しましたら、相手は驚かれていました。

法務省もPRに力を入れており、週刊誌や雑誌の記事にもよく掲載されていますが、まだ知らない方は多いです。義務化されることを知らないのではなく、義務ではなかったことを知らないというのは、こちらとしては苦々しいですが、相続は人生に何度もあるイベントではないので、当然だと思います。

近年、所有者不明の土地問題を解決し、未来の土地管理を改善するために相続法が改正されています。この改正の中心には、相続登記の義務化と相続土地国庫帰属制度の導入があります。

相続登記の義務化は令和6年4月1日に施行され、相続により不動産を取得した相続人は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならなくなりました。

また、相続土地国庫帰属制度は令和5年4月27日に施行され、この制度により、土地の所有権を取得した相続人は、土地を手放して国庫に帰属させることが可能となりました。国庫に帰属された土地は国が管理・処分することになっています。

繰り返しますが、日本では所有者不明の土地が増加しています。これは、長らく相続登記が放置されてきたことが一因です。さらに、日本の人口減少と過疎化の進行が、土地の管理を一層困難にしています。特に過疎地では、土地の価値が低下し、それに伴い放置された土地や不動産が増加しています。

このような背景のもとで、相続未登記の農地等に関する実態調査が行われました。調査の結果、令和3年には全国で登記名義人が死亡している農地の面積は約52万ヘクタール、相続未登記のおそれのある農地の面積は約50万9千ヘクタールであることが明らかになっています。

日本の死亡数は、2010年が約120万人、2020年が約137万人でしたが、今後も増加が続き2040年には約160万人になる見込みです。この制度がどこまで効果を発揮するかは未知数ですが、死亡者が増加するこれからの社会を考えると、まずは知ってもらうことが大切です。

評価額が100万円以下の土地は登録免許税がかからないなど、他にも相続登記を促す措置がされていますので、不要と思われる不動産でも放置せずに登記することをお勧めします。

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